りんごのお酒「シードル」、「サイザー」って?

こんにちは〜!セナです!少し久しぶりになりましたが皆さんお元気ですか。

3ヶ月前、フルーツミードを飲み比べて気づいた「サイザー」の美味しさ!サイザーってなんぞや?と思う方も多いかと思いますが、サイザーとはりんごを副原材料に使っているミードのスタイルの名前です。

りんごを使っているお酒と聞くと、「シードル」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?シードルは、りんごを発酵させてつくるお酒。近年日本でも注目され出しているホットなお酒です。

両方ともりんごを原料に使用しているけれど、そもそも何が違うのか?味はどう違うのだろう?と、とても気になったため、それぞれの成り立ちや性質、そして実際の味についてまとめたいと思います!


りんごを原料とするお酒「シードル」「サイザー」

シードルとサイザーは、それぞれりんごを原料としている点では同じお酒です。詳しくみていきましょう。

りんご

 

シードル
シードルは、主原料としてりんごを使用します。りんごを圧搾機などにかけて果汁にし、その糖分で発酵を進めます。起源はヨーロッパ。フランスと日本ではシードルという呼ばれていますが、スペインでは「シドラ」、アメリカでは「ハードサイダー」と呼ばれています。りんご・酵母の量や種類によってドライにもスウィートにもなります。りんごの糖度によって変わりますが、アルコール度数は5%〜6%のものが中心です。

 

サイザー
サイザーは、ミードに副原料としてりんごやりんごジュースなどを加えてつくるミードのスタイルの呼称です。蜂蜜の糖分とりんごの糖分で発酵を進めます。味はシードルと同じく、加える蜂蜜・りんご・酵母の量や種類によりドライにもスウィートにもなります。アルコール度数は、低いものは5%、高いものは14%ほどです。シードルと違い、サイザーには蜂蜜が含まれているため、糖分が増え結果的にアルコール度数を高められます。また蜂蜜の量によっては、りんごの味の濃さにも影響が出ることが予想されます。


今回も最終比重に注目します

前回の記事で初めてお酒の最終比重を測ったのですが、それ以来私の心の中に「比重を測りたい欲」が芽生えました。なので今回も測りたいと思います。(計測時の温度は20℃に統一しました!)

比重とは:水の密度を1(1.000)として水溶液の密度を比較した値のこと

水の比重:1.000

 

お酒づくりの際には発酵させる前と後に比重を測るのですが、発酵前の比重を初期比重、発酵完了後の比重を最終比重と呼びます。この2つの比重の値は、お酒に欠かせないアルコール度数の目安を測るのに重要な数値です。つまりお酒づくりにおいて比重はとても重要な要素といえます。

<補足>
比重は溶け込んでる糖分量の「目安になる数値」ではありますが、水に溶け込んでるのは糖分だけではないので、その他の溶けているもの(タンパク質・アミノ酸とか)によっても比重の数値の割に甘い甘くないに関係したりします。また溶け込んでる糖分にも甘いもの(炭素鎖が短いもの)と甘くないもの(炭素鎖の長いもの)があってそれらの質によっても甘さが変わります。例えばミードやシードルに比べてビールは比較的長い鎖の糖が多く含まれてるので比重が高い割に甘さが控えめに感じたりするようです。


シードルとサイザー、それぞれ2種ずつ飲み比べてみました!

今回飲んだシードル・サイザーは以下の4種類。シードルは近くのスーパーマーケットに売っていたものを、サイザーはスーパーにはなかったのでミーダリーから購入しました。

 

左から、
1. 『Zappy』(CIDERGEIST)
2. 『grand Mimosa』(CIDERBOYS)
3. 『SPICED APPLE』(Blackbird Meadery)
4. 『CYSER』(CHARM CITY MEADWORKS)
です!(『』内は商品名、()内は醸造所名)

それでは早速紹介していきますね!

1. 『Zappy』(CIDERGEIST)

 

原材料:濃縮還元りんごジュース
アルコール度数:5%
容量:12oz(約355ml)
価格:11USD(6缶)
炭酸:あり
最終比重:1.013〜14
感じた甘み:★★☆☆☆

 

オハイオ州シンシナティにあるマイクロブルワリー「RHINEGEIST(ラインガイスト)」から出されている、シードル専門のブランド「CIDERGEIST(サイダーガイスト)」のスタンダードなシードル「Zappy」。フルーツビールとは一線を画した味をつくることを目的に、ハーブやスパイスなどの副原材料を使ったシードルをつくっています。

缶を開けると、ちょっと熟れたようなりんごの香りがしっかりと鼻にきます。黄金色の色みがとても綺麗!りんごジュースを彷彿とさせてくれます。

 

りんご本来の甘さがしっかり感じられる味わいでした。砂糖の甘さではないので、口の中に残る甘さはほとんどなく、りんごを食べてた後のようなスッキリさを残してくれます。炭酸がしっかりと感じられることも、スッキリさを演出してくれる1つの要因だと思いました。食中酒としてもバッチリ楽しめる感じで、特にステーキや、醤油・砂糖・みりん・お酒で作るお肉料理にピッタリ合いそう。

気になる最終比重は

 

1.013〜14あたりでした。実は個人的に比重を測ることにとてもハマっており、以前Sierra NevadaのHazy Little Thing IPAの比重を測ったのですが、その時の比重は1.010〜11くらいでした。もしHazy Little Thing IPAを飲んだことをある方がいらっしゃれば、その時に感じる甘さとキレがあると想像していただければ幸いです。

飲んだことがない方は、コーラの比重が40なのでそれに比べるとだいぶ甘さが控えめだと想像していただけると思います!

 

2. 『grand Mimosa』(CIDER BOYS)

 

原材料:アップルサイダー、濃縮アップルジュース、オレンジジュース、りんご酸
アルコール度数:5%
容量:12oz(約355ml)
価格:約10USD(6瓶)
炭酸:微炭酸
最終比重:1.023〜24
感じた甘み:★★★☆☆

 

ウィスコンシン州にある「CIDERBOYS」のシードル「grand Mimosa」。この醸造所はさまざまなフルーツを副原料に使用したシードルをつくっています。通年の商品もあれば、桃やパイナップルを使った期間限定のものもあり、今回は9〜2月限定のオレンジを副原料に使ったシードルを飲んでみました。Zappyに比べると薄めのオレンジ色で、香りはりんごよりもオレンジを感じます。

 

 

酸っぱさと甘さのバランスが取れたシードル。りんごの味わいというよりかはどちらかというとオレンジの味の方が強く感じます。こちらもお肉との相性が良さそうなので、バーベキューの時に飲むお酒として持っておきたい1本。

気になる最終比重は、

 

1.023〜24。りんごだけでつくったシードルよりも、オレンジの糖分が多く含まれているため、比重はやや高め。甘過ぎずドライすぎない感覚だったので、予想通りの結果に。(だんだん比重がわかる舌になってきたかも?)

 

3. 『Spiced Apple』(Black Bird Meadery)

 

原材料:蜂蜜、りんご、シナモン、ナツメグ
アルコール度数:12%
容量:750ml
価格:32USD
炭酸:なし
最終比重:1.021〜22
感じた甘み:★★★☆☆

 

オハイオ州デイトン近郊にある「Blackbird Meadery」のサイザー「SPICED APPLE」。ご夫婦で経営されているマイクロミーダリーです。趣味のホームブリューを通してミードに出会い、その面白さに目覚めてミーダリーをOPENすることにしたそうです。名前の通り、シナモンとナツメグなどのスパイスが使われており、蓋を開けるとそれらの香りが広がります。先に飲んだ2つのシードルと同じようなオレンジ色がきれい。

 

りんごの甘さよりもシナモンのスパイシーさがしっかりと感じられ、まるでアップルパイを食べたような味わいが楽しめます。ゴクゴク飲むというよりも、食後にゆっくり映画を見ながら楽しみたいと思える1品でした。飲みすすめるにつれて思い出したのは、ドイツで飲んだホットワイン。少し暖めてみるとより美味しいのでは!と思い温めたところ、大正解。寒い日の夜との相性が抜群です。

気になる最終比重は、

 

21〜22。結構甘さを感じたのでもう少し比重が高いかなと思ったのでこちらは意外な結果に!感覚的には前回飲んだサイザー(アルコール度数14%、比重33)と同じくらいの甘さを感じました。

 

4. 『Cyser』(Charm City Mead Works)

 

原材料:蜂蜜、りんご
アルコール度数:6.9%
容量:12oz(約355ml)
価格:12USD(4缶)
炭酸:あり
最終比重:1.001〜2
感じた甘み:★☆☆☆☆

 

メリーランド州にあるミーダリー「CHARM CITY MEADWORKS」のサイザー「CYSER」。毎日楽しめるように、軽くてドライ、そして爽やかなミードをつくっています。缶と瓶のミードを販売していますが、面白いことに缶の方はアルコール度数が全て6.9%で炭酸入り、瓶の方は12%で炭酸なしと統一されています。

 

色みは透き通った金色で、白ワインのようにも見えます。りんごの芯のような香りも特徴的でした。喉の奥にぐっとくるような炭酸があり、りんごっぽい風味はあるものの甘さは殆ど感じませんでした。むしろ後味にはちょっと苦みが残るほどなので、食中酒としてガッツリ楽しめそう。私は豚の角煮と合わせましたが相性抜群でした。

気になる比重は、

 

1〜2くらい。今まで飲んだビール、ミード、シードルの中で最も低い比重でした。辛口の白ワインの比重は0を切るものもあるそうなので、イメージとして思い浮かべていただけると。


番外編:Superstition Meaderyのミードも飲んでみた

しゅんとやざわがミードをつくろう!と思ったきっかけとなったアメリカのミーダリー、Superstition Meadery(スーパースティション ミーダリー)が出す、やざわのイチ押し「SPACESHIP BOX」。

 

原材料:アップルサイダー、ブルーベリージュース
アルコール度数:5.5%
容量:750ml
価格:19USD
炭酸:なし
感じた甘み:★★★★★

 

ブルーベリーの色みから想像されるとおり、ブルーベリーのいい香りが。味わいもブルーベリーの風味がしっかりと感じられます。クセがなく、スッと飲みやすいので少し甘いものの何倍でも飲めちゃいます。おつまみがなくてもいけちゃう。友達との飲み会に持っていったら絶対に盛り上がりそうです。日本に帰る時にはやざわにお土産として買って帰ろうと思います!


さいごに

今回シードルとサイザーを飲み比べて思ったことはやっぱりお酒って面白いなということ。大分類は同じでも、使うりんごや発酵の進め方、りんご以外に使う副原料を変えることで、いかようにも味が変わる。せっかくアメリカにいるので、今年こそはホームブリューにチャレンジしよう・・・!「ホームブリュー体験記」をお楽しみに!!

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