はじめてのミード講座 vol.2 クラフトミードとは?

こんにちは!ANTELOPE醸造担当のやざわです!
みなさんはミードというお酒を飲んだことはありますか?おそらく飲んだ経験はおろか、聞いたことすらなかった!という方が多いのではないでしょうか。今回はそんな方にお届けしたい「はじめてのミード講座」の第2回目です。

第2回目は、「クラフトミードとは?」です。ビールには、「ビール」と「クラフトビール」という呼び名があるように、ミードにも「ミード」と「クラフトミード」があると僕たちは思っています。そこで、今回は僕たちが考える「クラフトミード」についてお話しします。

 

"伝統的なミード" に対する挑戦

ずばりクラフトミードとは、

「蜂蜜と水と酵母以外にも、さまざまなフルーツやスパイスなどを加え、幅広い味わいを表現した挑戦的なミード」だと僕たちは考えています。

クラフトミードとは

ミードとは、蜂蜜と水と酵母を混ぜて作るお酒です(Vol.1でも紹介しました)。

ミードは世界最古のお酒といわれており、歴史が長くさまざまな人々に愛され続けてきました。そのことから、蜂蜜と水と酵母だけで作るミードは、トラディショナルミード(伝統的なミード)と呼ばれています。

トラディショナルミードは、蜂蜜の味や酵母の活動加減などで味わいや香りが異なりますが、「はちみつ本来の味わいを感じることのできるお酒」です。僕たちはこの伝統的なミードに、さまざまなフルーツやスパイス、ボタニカル、あるいは穀物などの副原材料を混ぜることによって、今までにない味わいを生み出すべく色々な挑戦をしています。

そして、そのお酒こそが、まさしく僕たちが考えるクラフトミードです。

 

クラフトミードのスタイル

クラフトミードの世界には、多くのスタイルがあります。スタイルとは、異なる銘柄を作り方や使用する原材料、あるいはアルコール度数などによって一定のグループにまとめたものです。

例えばビールの場合なら、「スーパードライ」と「一番搾り」は異なる銘柄ですがピルスナーというスタイルに分けられますし、「水曜日のネコ」と「ブルームーン」は作っている国すらも日本とアメリカとで違いますが、ベルジャンウィットというスタイルに分けられます。そこで今回はクラフトミードのスタイルを一部紹介したいと思います!

その中でも代表的な3種類をご紹介します!

 

メロメール:蜂蜜とフルーツで作ったミード

メロメールとは、蜂蜜とフルーツを使用して作るミードのことです。どんなフルーツを使うのも自由で、何種類のフルーツをブレンドしても良いです。フルーツジュースの味わいが多種多様なようにメロメールも使うフルーツの種類や量、あるいは使い方によっても大きく味に変化が出ます。好みのものが絶対に存在しますので、それを探し続ける楽しさもメロメールの大きな魅力です。

メロメールの中には、個別のスタイル名がついたものもあります。例えば、ブドウを使用したミードはパイメント、リンゴを使用したミードはサイザーという名前がついています。では、ブドウとリンゴのどちらも使用したミードはどうなるのかというと、その組み合わせに名前はついてませんので、メロメールに分けられます。そのほかにも使用するフルーツごとに違うスタイル名がついているものもあるので、いずれ紹介できればと思います!

メロメールとは

 

 

メシグリン:蜂蜜とスパイスで作ったミード

メロメールが蜂蜜とフルーツであったのに対して、メシグリンは蜂蜜とスパイスで作ったミードのスタイル名です。メロメール同様にどんなスパイスを何種類使おうが自由です。スパイスにしか醸すことのできないエキゾチックな香りや、ものによってピリッとくる刺激もメシグリンの魅力です。甘い匂いのシナモンやクローブを使用したものも人気が高いですが、意外なところで唐辛子も人気者です。唐辛子を使用したミードは、キャプシキュメールというスタイル名がついています。

メシグリンとは

 

 

ブラゴット:蜂蜜と麦芽を使用したミード

最後はビールの原料である麦芽を使用したミードの紹介です。麦芽とは麦を発芽させてから乾燥させたもので、ビールを作るのに必要不可欠な原材料です。ブラゴットはその麦芽と蜂蜜を混ぜて作ったミードのスタイルです。一般的には蜂蜜2/3、麦芽1/3くらいの割合で使用することが多いですが、特にここも決まっていません。
麦芽の使用量が多くなると麦芽由来のどっしりとした味わいのブラゴットになりますし、麦芽の使用量が少ないと軽い味わいのものになりやすいです。またホップやハーブなどを加える場合もあり、そちらはより一層ビールに寄った味わいになります。

ブラゴットとは

 

これら以外にも、まだまだたくさんのクラフトミードのスタイルが存在します!しかし、クラフトビールではアルコール度数や色み、味わいに関しての基準がスタイル名ごとにとても明確なのに対して、クラフトミードの歴史はまだまだ浅く、スタイルごとのしっかりとした基準は設けられていません。ただ、それが良い意味で味わいの自由度にも繋がっていて、どんどん新しい味わいのクラフトミードが誕生すると思っています!

僕たちもこれからどんどん新しい味わいのクラフトミードに挑戦していこうと思っていますので、ワクワクしながら新商品を待っていただけるととても嬉しいです!

お疲れ様でした!所々小難しい内容があったと思いますが、クラフトミードの可能性や面白さを感じていただけていたら嬉しいです。次回は、「クラフトミードの楽しみ方」をご紹介します!

 

おまけ

代表的なクラフトミードのスタイルを一部紹介しましたが、おまけとして他のミードスタイルもちょこっとだけ紹介させていただきます!これら以外にもスタイルはあるのですが、それはまたの機会に・・・!

・ビルベメル:蜂蜜とブルーベリーを使用したミード

・ロードメル:蜂蜜とバラ(ローズヒップ)を使用したミード

・ボシェ:キャラメル化させた蜂蜜で作ったミード

・アサーグリン:一部、あるいは全量メープルシロップで発酵させたミード

・サック:ハイアルコールミード(アルコール度数14%以上)

・ハイドロメル:低アルコールミード/セッションミード(アルコール度数7.5%以下)

・スパークリングミード:発泡性のミード

原材料だけでなく、アルコール度数によってもスタイルが分けられたりしますね!ミードは通常炭酸が入っていないので、炭酸があるものはスパークリングミードと呼んだりします!

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